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高尿酸血症、痛風

プリン体の分解産物が尿酸です。 体のなかでつくられた尿酸のうち、約80%は腎臓から尿のなかに溶けた状態で排泄されますが、この排泄量が少なかったり、体のなかで尿酸がつくられすぎて排泄が間に合わなかったり、あるいはその両方が起こると血液中に尿酸が増えてきます。このように、血液中の尿酸が正常値を超えて高くなった状態が高尿酸血症です。
高尿酸血症の状態がある程度長期化すると、尿酸は尿酸塩という結晶の形になって、関節や腎臓などに析出してくるようになります。このように高尿酸血症を基礎として、尿酸塩が関節に沈着することによって急性の関節炎を起こす病気が痛風です。
食生活の欧米化やアルコール摂取量の増加により、誰もが高尿酸血症や痛風になる可能性があります。美食よりもむしろ過食が問題であり、高カロリー食や肥満は尿酸の産生量を増やします。また、アルコールや果物類(果糖)の過剰摂取、ストレス、過度の運動も尿酸を上げるようにはたらきます。

図1は尿酸値と痛風関節炎の累積発症率との関係を調べたものです。尿酸値が7.0-7.9では5年間の累積発症率は約10%、8.0-8.9では約30%、9.0以上

​では60%以上となります。また、高尿酸血症は最近では動脈硬化、心筋梗塞、慢性腎臓病などの危険因子であることも明らかとなり(図2)、このような合併症の予防の観点からも治療が必要になることもあります。高尿酸血症治療のガイドラインでも、尿酸値の値、合併症の有無などにより、薬物治療の開始目標を定めています(図3)。

図1 尿酸値と痛風関節炎の累積発症率

図2 高尿酸血症と合併症

J Rheumatol 27: 1501-1505,2000

図3 高尿酸血症の治療ガイドライン

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